クインテットⅢ 五つ星の作家たち 訪問記事

コラム・ご感想


この展覧会では「クインテット」(五重奏)と題し、約20年間の継続的な作品発表実績があり、将来有望な5人のアーティストの方々の作品が展示されていた。今回のテーマは「自然」。『写実的に描写する作品というよりも、豊かな感性と個性で形象化する作品と言える』と解説には書いてある。
それぞれのアーティストの感性で描かれた作品を一つ一つ眺めながら、心の赴くままに足を止め、作品に見入ったりしていた。
現代の方が描く作品を現代アートと呼ぶのだとしたら、私が現代アートをこんなにじっくり見るのはひょっとすると何十年ぶりかもしれない。
あれは、確か20歳のデートの時。品川美術館だったと思う。
展示されている絵画はかなり抽象的なものばかりで、正直あの時の私には何をどう見ていいのか分からず、しかし好きな人を失望させたくなくて背伸びした会話をしていたことを思い出す。
今はどうか。
こんなに楽しんでいる自分に驚く。
何が変わったのだろうか。
あの頃と大きく変わったことと言えば、はっきりしているのは歳を取ったこと。
あれから今まで、多くの人生経験を積んできたことである。
「人生経験は感性を豊かにする」ということが、今回の芸術作品を観ることによって改めてわかった。
感性で描かれた作品たちに共鳴する感性が観る側のこちらにある。
私は何度も足を止め、時に戻り、じっくり作品を通して各アーティストの思いや感性を感じた。
技術的なことは全く分からないけれど、心に響く良い余韻を感じた良い展覧会だった。

« »