マリーアントワネット展 訪問記事

コラム・ご感想


平日だというのに長い行列に圧倒されてしまった。知名度も高い、広告宣伝も多かったのもあるかもしれないが、この人の多さは何だろう。入場まで150分待ち。
聞けば、1月からは連日こんなだという。みると、女性が9割以上。
「マリーアントワネット」
確かにその人物像、そして彼女にまつわるドラマは女性達を引きつける何かがある。引きつけられている者の一人として、その人物に迫ることができるこの展覧会を楽しみにしていた。
展覧会の印象は、歴史的背景をしっかり追いながら観るものがあたかもその時代にタイムスリップしたような感覚を持たせる工夫がなされているということだった。
ストーリー性があり、マリーアントワネットの心境の変化や環境の変化が迫ってくる感じがして、最後まで飽きることなくむしろ心を揺さぶられっぱなしで観終えることができた。
特に、フェルゼンとの恋。命の危険が迫っている中での暗号化した二人の必死な手紙のやりとり。
絞首刑になるという結末を知っている私達に展示物と絵画の迫力でさらなる臨場感を持たせることができていた内容だったと思う。
個人的に感想を持ったところは、絵画においては、その繊細な描写に驚かされた。特にレース。光沢といい質感といい、思わず触りたくなるような透明感のあるレースの描写に感動してしまった。
無名の画家たちだったのだろうか。たとえ、そうだったとしてもかなり技術力のある素晴らしい画家たちを雇っていたところからも貴族文化のゴージャス感が伝わってきた。
もう一つ感じたこと。それは後半、民衆の批判の的になっていき、それが加速度的に恨みと変化していく様に、人間は古今東西あまり進歩も変化もしないものなのだなあと思ったこと。
歴史に思いをはせ、マリーアントワネットやその周囲の人物たちに思いをはせ、230年の時を超え、その大きなドラマに浸ることのできた素晴らしい展覧会だった。

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